TOP MESSAGE
LIFULLは、社会課題解決型企業「ソーシャルエンタープライズ」を標榜している企業グループです。私たちが手掛ける事業はすべてが社会の課題を解決するために行っているものです。課題先進国と言われる日本から、社会課題をビジネスの力で解決し続けて世界中に「安心」と「喜び」を届けていきます。
約30年前、創業者の井上が新卒で不動産デベロッパーに入社し、「住まい」の購入における不動産業界の「情報の非対称性」を変えたいと思ったことからLIFULLは始まりました。当時の不動産業界は情報が不透明で、「一生に一度」ともいえる高価な買い物であるにも関わらず、なぜ限られた情報の中からしか探せないのかと、業界に対する義憤のような感情が湧いたそうです。井上が新卒だった90年代前半は、インターネットがまだ普及しておらず、まだヤフージャパンもグーグルもない時代です。そのような中、1997年、日本中の不動産物件のデータベース化を目指し、全国津々浦々の情報をリアルタイムで集め、それを一般ユーザーに瞬時に届けるために日本で初めての不動産ポータルサイト「HOME'S(ホームズ、現LIFULL HOME'S)」が誕生しました。
全国に約12万の不動産会社がありますが、LIFULL HOME'Sというプラットフォームが出来たことで、ユーザーは不動産会社の営業時間中に1社1社問合せするのではなく、多くの選択肢の中から、24時間365日いつでも問合せが出来るようになりました。また不動産会社側も自社が扱う物件を日本中のユーザーに最新の情報として届けることが出来るようになった点が画期的でした。これは私たちが不動産会社ではなく、プラットフォーマーだからこそできた挑戦です。
インターネットの爆発的なユーザー増に伴って、LIFULL HOME'Sの利用者も大幅に増え、家を探す時にはまずポータルサイトを利用することが当たり前になりました。並行して多くの競合他社が参入し、各社がユーザーの期待に応える改善や新機能追加をしたことでサービスが磨かれ、ユーザーの利便性も急速に高まっていきました。選択肢が増えると、その中から選択をすることが難しくなるなど、新しい不安やニーズが生まれますが、すべての人が自分にとってぴったりの住まいと出会うためにLIFULL HOME'Sは現在も挑戦し続けています。
LIFULLの経営理念は、「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」です。
そのため住まいだけでなく、「地方創生」や「高齢者向けのサービス」「育児中のママパパ就業支援」、被災地の支援にも利用されているインスタントハウスによる「新しい建築手法のプロダクト」など、様々な社会課題の領域でLIFULL HOME'Sのような業界構造を変えるような事業を生み出し、成長させることに挑み続けています。
2006年に新卒で入社した私は、2023年12月に創業者の井上から社長のバトンを受け取りました。
社長に就任してすぐに、事業成長力とカルチャーのアップデートを掲げ、その取り組みを急ピッチで進めてきました。不動産DXカンパニーとして、おとり物件や古い情報の撲滅に向けた不動産管理会社との連携推進や自社開発AIによる自動検知システム活用により、2024年8月には不動産ポータルサイトで「物件鮮度No.1 」を獲得しました。更に生成AIが開発された際にはいち早く活用するための専門部署を立上げ、ChatGPT向けプラグイン、住宅弱者の住まい探し支援に特化したAIチャットなど矢継ぎ早にリリースしました。この生成AIを用いた取り組みは国土交通省からも評価されています。
この通りこれまで培ってきたAI技術活用ノウハウを用いて、不動産各社を支援することで業界全体のDX化を推し進めていく不動産DXパートナーシップの取り組みも始めています。また不動産業界の課題である人手不足解消のために、グループ内のLIFULL FaMで不動産会社の業務の一部をアウトソース支援したり、不動産業界に特化した人材紹介サービス「LIFULL HOME'S 不動産転職」による即戦力人材の採用支援など、グループ全体でシナジーを生み出す戦略を立て効果が出ています。
さらにカルチャーのアップデートにおいては、挑戦機会の創出、実力主義による多様な人材の登用、採用の強化を掲げ、新CxOの設置と新たに事業CEO・責任者のポジションをつくり、11人の新しいLIFULLの顔となる人材の抜擢をおこないました。
私の社長としての役割は大きく3つだと考えています。
1つ目は、LIFULL HOME'S事業を更に伸ばすことです。データを用いた一人ひとりに合わせた情報を提供するパーソナライズ施策を更に推進し、更なる売上拡大を目指します。また、生成AI(GAI)の取り組みも加速し、不動産テックの代表格となるポジションを取っていきます。
2つ目は、海外事業の拡大です。世界60カ国以上の国や地域で不動産情報を中心としたサービスを展開するLIFULL CONNECTを、「Moving To Direct戦略」という、提供する価値をより直取引に近い領域へと拡大していく戦略を継続して、規模の拡大をしていきます。
3つ目は、新しい事業を次の中核事業に育てていくことです。2023年に不動産NFT(非代替性トークン)事業やグループの金融事業を統括するLIFULL Financialを設立しました。投資家が小口で投資した金額に応じて、リゾート会員権のように、シェアハウスの利用権、不動産の利用権などを発行し、それを投資家同士で取引できるプラットフォームを提供しています。この不動産×金融領域は市場の注目が集まっており、今後プラットフォームとしての成長はもちろん、この領域を伸ばしていくことが地方への投資や、経済の活性化にも繋がります。
この3つを推進するためには、多様な人材が活躍し、一人ひとりが存分に能力を発揮できることが重要です。東証プライム上場企業としては珍しい41歳という年齢で社長になった私が、これまでの上司や役員たちから多くのチャンスを貰ってきたように、挑戦の機会をさらに増やし、成果を出した人を抜擢し続けることで、LIFULLの企業文化として定着させていくことも大事な役割だと考えています。
困っている誰かのために、仲間と共に挑戦したい方、
LIFULLならきっと夢中になって面白い仕事ができるはずです。
世界は変えられる。ともに社会課題に挑もう。
代表取締役社長 伊東 祐司